2級整備士の給与比較|求人票の9項目

整備工場で車両を点検する自動車整備士のイメージ
※AI生成イメージ
この記事の目次
  1. 結論:月給総額ではなく、4つに分けて比較する
  2. 給与比較でよくある3つの見落とし
  3. 公的統計で分かること、分からないこと
  4. 求人票で確認する9項目
  5. 給与と一緒に、実際に任される作業を確認する
  6. 応募前に使う給与チェックリスト
  7. 提示年収を比較用の同じ式へそろえる
  8. 統計の使い方と限界

2級自動車整備士の求人を比べるとき、月給の総額だけでは実際の条件を判断できません。同じ月給でも、基本給、固定残業代、資格手当、賞与の計算対象、工具の自己負担によって手取り感と将来の昇給幅が変わります。

この記事では、公的統計で分かる範囲と限界を示したうえで、求人票と面談で確認する9項目を、そのまま使える質問にします。年収アップや特定求人への適合は断定しません。

手元の求人票を確認する場合は、無料の求人票8項目チェックで、給与以外も含めた未記載・曖昧な条件を先に整理できます。

結論:月給総額ではなく、4つに分けて比較する

求人票の給与は、次の4つへ分けると比較しやすくなります。

分ける項目含まれるもの比較するときの注意
基本給毎月の賃金の土台賞与や残業代の算定基礎になるかを確認する
毎月の手当2級、検査員、役職、住宅など資格保有だけで付くか、選任・役割が必要かを分ける
時間外の賃金固定残業代、超過残業、休日・深夜割増固定時間数と超過分の追加支給を確認する
実質的な負担工具、作業着、資格更新、通勤など会社負担・貸与・立替・自己負担を分ける

賞与が「年2回」でも、基本給だけを算定対象にする会社と、一部手当を含める会社では金額が変わります。資格手当も、2級を持っていれば付くのか、整備主任者や検査員として選任されたときだけ付くのかで意味が異なります。

給与比較でよくある3つの見落とし

見落とし比較できなくなることそのまま使える質問
月給に固定残業代が含まれている基本給と、何時間分の残業代かが分からない基本給、固定残業代の金額と時間数、超過分の支給方法を分けて教えてください
「資格手当あり」だけを見る2級の対象区分、複数資格の加算、選任条件が分からない私の保有資格では毎月いくら付きますか。保有だけで対象ですか
賞与月数と工具負担を別々に見る賞与の算定対象と、入社後の自己負担を含めた実質額が分からない賞与は何を基礎に計算しますか。入社時と毎年の工具自己負担はいくらですか

公的統計で分かること、分からないこと

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、「自動車整備・修理工」等に対応する全国統計を掲載しています。2026年8月31日に確認した主な値は次のとおりです。

指標全国の掲載値読み方
賃金(年収)503.8万円残業代・賞与を含む加工値。2級だけの平均ではない
賃金(1時間あたり・一般労働者)2,320円残業代・賞与を含む
賃金(1時間あたり・短時間労働者)1,527円残業代・賞与を含まない
労働時間月166時間職種全体の参考で、応募先の所定労働時間ではない
平均年齢40.6歳年齢・経験・資格別の給与を示す値ではない

出典: 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「自動車整備士」

元統計: 令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成。調査の概要は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」で確認できます。

確認日: 2026-08-31

同ページの令和6年度ハローワーク求人統計では、全国の求人賃金(月額)は25.1万円、有効求人倍率は5.45です。これも2級限定ではなく、実際の支給額や内定時の提示額ではありません。

公的統計からは、次の内容までは分かりません。

求人票で確認する9項目

項目求人票で見る場所面談でそのまま使える質問
基本給基本給、月額の内訳試用期間中と本採用後の基本給を教えてください
固定残業代金額、対象時間数、超過分何時間分が含まれ、超えた分はどのように追加支給されますか
2級資格手当対象資格、毎月の金額私が持つ2級資格は対象ですか。複数保有の場合は加算されますか
検査員・役割手当保有条件、選任条件、担当業務資格保有だけで付く手当と、選任後に付く手当を分けて教えてください
賞与回数、実績、算定対象基本給と手当のうち、賞与計算の対象になるものはどれですか
昇給・評価評価時期、基準資格、担当作業、工数、接客のどれが昇給へ反映されますか
工具・作業着貸与、購入補助、更新入社時に自分で用意する工具と、その後の購入補助を教えてください
その他の手当住宅、家族、皆勤、通勤誰でも毎月付く手当と、条件を満たした月だけ付く手当を分けてください
想定年収月給、賞与、残業の想定提示年収には、残業を月何時間分含めていますか

固定残業代を採用する求人では、固定残業代を除いた基本給、対象となる時間数と金額、超過分を追加支給することの明示が必要です。記載が曖昧なら、面談前に確認してください。出典: 厚生労働省「労働条件の明示」、ハローワーク「求人情報の入力方法」

給与と一緒に、実際に任される作業を確認する

2級資格があっても、入社直後から任される作業は工場ごとに異なります。給与を比べるときは、次の作業範囲を横に置いてください。

資格手当が高くても、希望しない接客や回送が多い場合があります。反対に、最初の提示額だけでは分からなくても、診断・重整備・検査など担当範囲の拡大が評価基準へ明記されている職場もあります。給与額と仕事内容は同じ面談で確認します。

2級資格に加えて、経験車種・担当作業・役割を職務経歴書へ整理する

自動車検査員を目指す場合の選任要件・教習・完成検査の確認項目を見る

自動車検査員の年収・求人賃金と、検査員手当の支給条件を確認する

応募前に使う給与チェックリスト

工具貸与・購入補助・破損時負担を詳しく確認する

提示年収を比較用の同じ式へそろえる

求人票の「想定年収」は、賞与や残業の前提がそろっていないと比較できません。まず、税金・社会保険料を差し引く前の年間総支給について、次の比較用目安へそろえます。

比較用の概算式:(基本給 + 毎月確実に支給される手当 + 固定残業代)× 12 + 確認できた賞与

固定残業代は金額と対象時間数を別に記録します。「毎月確実に支給される手当」へ固定残業代を含めた場合は、式で再度足して二重計上しません。固定残業代や賞与が求人票にない場合は0円と確定せず、「未記載・未確認」として面談で確認します。見込賞与、固定時間を超える残業代、将来の昇給は支給保証として足しません。

工具、作業着、資格更新など年間の自己負担が確認できた場合は、年間総支給の比較目安から差し引き、職場間の負担差を見る参考値にできます。この差引後の値は、税金・社会保険料を計算した「手取り」でも、法令や統計で使う「年収」でもありません。

「月給○万円〜」の上限や、入社後の残業を多く見込んだ年収例を、自分の確定条件として扱わないことが大切です。最終的な賃金条件は、労働条件通知書でも確認してください。

統計の使い方と限界

503.8万円は、平均年齢40.6歳を含む職種全体の加工値です。20代の2級、特定地域、特定工場の給与を表すものではありません。「2級整備士の平均年収」として引用せず、求人の内訳を確認する入口として使います。

給与以外の休日・残業・工具・担当作業もまとめて整理したい場合は、8つの確認項目を使えます。8問の条件整理は、チェックリストの代わりではなく、自分が先に確認する条件へ優先順位を付ける補助です。

整備士の転職で失敗しない8つの確認項目を見る